前々回、前回とイラストがなかった理由が
これで力尽きたからです(笑)
という感じでようやっと出ます
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
翌朝、左官は1人で原生林に訪れていた
待ち合わせ場所に行くと、すでに真夜と獅優、
セルレギオスが左官のことを待っていた
しかし何故か獅優が金色の姿になっている
「おはようございます真夜。獅優・・・どうしたんですか?」
「おはよう左官、あのね・・・刃さんが獅優のこと挑発したの
左官達のことも色々言っていて・・・獅優かーなーり我慢していた
んだけど、ついに堪忍袋の緒が切れてしまいました☆」
「獅優・・・えーと・・・」
「獅優めっちゃ我慢してたのー悪いのは刃さん」
しばらくセルレギオスと言い合っていたのか
少し興奮気味の獅優だったが、左官の姿を見て
我に返ったのか通常の黒い体毛に戻った
なんだか申し訳なさそうに左官を見ている
「何を言われて怒ったのかは分かりませんが
あまり無茶はなされないで下さいね獅優」
『ああ・・・すまん・・・』
左官が獅優の頭をなでなでしている様子を見ていたセルレギオス
まるで小馬鹿にしたような態度で獅優を再度挑発
『くっくっく、ガキみたいだな。頭なでなでされてるとか』
『勝手に言ってろ。ったく・・・すぐに出発するんだろう?左官』
「ええ、明るいうちに”獣王”の姿を確認したいですから」
『そうか、左官も真夜も気を付けてな』
「大丈夫だよ、安心して待ってて獅優」
左官と真夜はセルレギオスの背中に乗った
セルレギオスの鱗は非常に鋭いので素肌で触れないよう
十分注意しながらその背に跨がる
「ではセルレギオス。お願いします」
『ふふ、任せなさい。では行くよ』
そう言うとセルレギオスは大きな翼を羽ばたかせ
あっという間に上昇、かなりの早さで空へ消えていった
本当に大丈夫かな?と心配そうな顔で見送った獅優
完全にセルレギオスの姿が見えなくなってからその場を離れた
そんな獅優の心配をよそに真夜は楽しそうだった
自分は空を飛んだり出来ないのでとても貴重な体験だ
あまりに周りをキョロキョロ、耳も左右に動かしっぱなし
なので落ちないようにと声をかける左官
結構な速度で飛んでいるのでフルフェイスの防具で来ていた
左官もあまり目を開けられず景色を見る余裕がない
というかしがみついているので精一杯という感じだ
2人の様子を尻目にセルレギオスはマイペースな様子
同じく飛翔能力が高いリオレウスと接触しないように
あらかじめルートを決めておいたのか何事もなく
すんなりと空の旅は続く
数時間おきに休憩を挟みながら未知の樹海の最深部へ向かう1人と2頭
そして未知の樹海へ到達
しばらく樹海の上空を飛んでいたセルレギオスだが
ここで急に飛ぶのを止め、ホバリングし始めた
「どうかしましたか?」
『ほら、ここから先が”獣王”の縄張りだよ。気を引き締めておきな』
「こ・・・ここからが・・・”獣王”の・・・?」
一見どこまでも続く樹海のようにしか見えなかったが
真夜には異様な気配が感じられた
さっきよりも少し飛行速度を落とし進んでいく
左官も真夜も冷や汗が止まらなくなり手に汗を握る
数十分ほど進むとまたセルレギオスがホバリングし始めた
しかし先ほどとは様子が明らかに違う
「何あったの?刃さん」
『これ以上は近づけないな・・・バレたらマズい
まぁこの距離でも安全とは言い切れないけど・・・』
「・・・・え?バレるって・・・まだ森しか見えませんが」
『人間の目には見えないか、でも真っ正面にいるよ
あの少し樹海から飛び出した岩があるところに座っている』
左官はポーチから双眼鏡を取り出し
セルレギオスの言った岩を探す
と、真夜が急に左官に抱きついて震えだした
「左官、あそこ・・・」と震える声で指を指す
真夜が先に”獣王”の存在を察知したようだ
そしてようやく左官もセルレギオスの言っていた岩を見つけた
だが、見つけた瞬間、背筋が凍るような威圧感を感じ取る
「・・・・あれ・・・ですか?」
『やっと見つけたかい?』
「ええ、恐らく・・・黒い狼のようですが」
『そうだね、様々な肉食獣の特徴が合わさったような姿だし
剛雷の者や桃毛の者と違ってほぼ四足歩行だからね』
距離にして2km弱は離れているだろう
それでも独特な威圧感を感じた
あれが・・・・”獣王”・・・・
![5話]()
顔は狼、獅子のタテガミ、胴体は虎のような模様
手足はまるで熊のようにガッチリしている
中でも尻尾が特徴的だった
赤い毛がまるで鋭い針のようになり密集している
すぐに左官はあれが硬化した毛の部分だと確信した
「あの尻尾でゴア・マガラを攻撃したのか・・・」
「なんか凄い感じ、周りに他の牙獣種もいるし」
『”獣王”の近くは獣の種にとって一番安全な場所だからね
”獣王”の近くで繁殖をするものもいるくらいさ』
「・・・ってことは”獣王”の近くで観察を続けていれば
ラージャンの繁殖や子育ても見られるかもしれないですね」
『そうだね。・・・って人間はそんなもの見たいのかい?』
「ああ、いえ・・・ラージャンの生態って謎が多いのでつい」
そんな会話をしていると真夜がまた震えだした
さきほどより強く左官にしがみつく
「左官・・・”獣王”真夜達に気付いてない?」
「え・・・?」
左官は再び双眼鏡で”獣王”を見た
確かに真っ正面であるこちらを見たまま動かない
むしろ自分達をずっと睨み付けているように思える
「え?『また来たか』って何?」
「どうしました?真夜」
![5話②]()
![5話③]()
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これで力尽きたからです(笑)
という感じでようやっと出ます
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翌朝、左官は1人で原生林に訪れていた
待ち合わせ場所に行くと、すでに真夜と獅優、
セルレギオスが左官のことを待っていた
しかし何故か獅優が金色の姿になっている
「おはようございます真夜。獅優・・・どうしたんですか?」
「おはよう左官、あのね・・・刃さんが獅優のこと挑発したの
左官達のことも色々言っていて・・・獅優かーなーり我慢していた
んだけど、ついに堪忍袋の緒が切れてしまいました☆」
「獅優・・・えーと・・・」
「獅優めっちゃ我慢してたのー悪いのは刃さん」
しばらくセルレギオスと言い合っていたのか
少し興奮気味の獅優だったが、左官の姿を見て
我に返ったのか通常の黒い体毛に戻った
なんだか申し訳なさそうに左官を見ている
「何を言われて怒ったのかは分かりませんが
あまり無茶はなされないで下さいね獅優」
『ああ・・・すまん・・・』
左官が獅優の頭をなでなでしている様子を見ていたセルレギオス
まるで小馬鹿にしたような態度で獅優を再度挑発
『くっくっく、ガキみたいだな。頭なでなでされてるとか』
『勝手に言ってろ。ったく・・・すぐに出発するんだろう?左官』
「ええ、明るいうちに”獣王”の姿を確認したいですから」
『そうか、左官も真夜も気を付けてな』
「大丈夫だよ、安心して待ってて獅優」
左官と真夜はセルレギオスの背中に乗った
セルレギオスの鱗は非常に鋭いので素肌で触れないよう
十分注意しながらその背に跨がる
「ではセルレギオス。お願いします」
『ふふ、任せなさい。では行くよ』
そう言うとセルレギオスは大きな翼を羽ばたかせ
あっという間に上昇、かなりの早さで空へ消えていった
本当に大丈夫かな?と心配そうな顔で見送った獅優
完全にセルレギオスの姿が見えなくなってからその場を離れた
そんな獅優の心配をよそに真夜は楽しそうだった
自分は空を飛んだり出来ないのでとても貴重な体験だ
あまりに周りをキョロキョロ、耳も左右に動かしっぱなし
なので落ちないようにと声をかける左官
結構な速度で飛んでいるのでフルフェイスの防具で来ていた
左官もあまり目を開けられず景色を見る余裕がない
というかしがみついているので精一杯という感じだ
2人の様子を尻目にセルレギオスはマイペースな様子
同じく飛翔能力が高いリオレウスと接触しないように
あらかじめルートを決めておいたのか何事もなく
すんなりと空の旅は続く
数時間おきに休憩を挟みながら未知の樹海の最深部へ向かう1人と2頭
そして未知の樹海へ到達
しばらく樹海の上空を飛んでいたセルレギオスだが
ここで急に飛ぶのを止め、ホバリングし始めた
「どうかしましたか?」
『ほら、ここから先が”獣王”の縄張りだよ。気を引き締めておきな』
「こ・・・ここからが・・・”獣王”の・・・?」
一見どこまでも続く樹海のようにしか見えなかったが
真夜には異様な気配が感じられた
さっきよりも少し飛行速度を落とし進んでいく
左官も真夜も冷や汗が止まらなくなり手に汗を握る
数十分ほど進むとまたセルレギオスがホバリングし始めた
しかし先ほどとは様子が明らかに違う
「何あったの?刃さん」
『これ以上は近づけないな・・・バレたらマズい
まぁこの距離でも安全とは言い切れないけど・・・』
「・・・・え?バレるって・・・まだ森しか見えませんが」
『人間の目には見えないか、でも真っ正面にいるよ
あの少し樹海から飛び出した岩があるところに座っている』
左官はポーチから双眼鏡を取り出し
セルレギオスの言った岩を探す
と、真夜が急に左官に抱きついて震えだした
「左官、あそこ・・・」と震える声で指を指す
真夜が先に”獣王”の存在を察知したようだ
そしてようやく左官もセルレギオスの言っていた岩を見つけた
だが、見つけた瞬間、背筋が凍るような威圧感を感じ取る
「・・・・あれ・・・ですか?」
『やっと見つけたかい?』
「ええ、恐らく・・・黒い狼のようですが」
『そうだね、様々な肉食獣の特徴が合わさったような姿だし
剛雷の者や桃毛の者と違ってほぼ四足歩行だからね』
距離にして2km弱は離れているだろう
それでも独特な威圧感を感じた
あれが・・・・”獣王”・・・・

顔は狼、獅子のタテガミ、胴体は虎のような模様
手足はまるで熊のようにガッチリしている
中でも尻尾が特徴的だった
赤い毛がまるで鋭い針のようになり密集している
すぐに左官はあれが硬化した毛の部分だと確信した
「あの尻尾でゴア・マガラを攻撃したのか・・・」
「なんか凄い感じ、周りに他の牙獣種もいるし」
『”獣王”の近くは獣の種にとって一番安全な場所だからね
”獣王”の近くで繁殖をするものもいるくらいさ』
「・・・ってことは”獣王”の近くで観察を続けていれば
ラージャンの繁殖や子育ても見られるかもしれないですね」
『そうだね。・・・って人間はそんなもの見たいのかい?』
「ああ、いえ・・・ラージャンの生態って謎が多いのでつい」
そんな会話をしていると真夜がまた震えだした
さきほどより強く左官にしがみつく
「左官・・・”獣王”真夜達に気付いてない?」
「え・・・?」
左官は再び双眼鏡で”獣王”を見た
確かに真っ正面であるこちらを見たまま動かない
むしろ自分達をずっと睨み付けているように思える
「え?『また来たか』って何?」
「どうしました?真夜」


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