真夜ちゃん大分大きくなりました
けどまだまだ子供なので甘えん坊です
えー…前回の話のイラストでフランキーさんが持っている大剣
間違えてチェーダアルザバルを描いていました
正しくは叛逆刀ローグレギオンです、申し訳ございません(><;)
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あの日の早朝、フランキーは一人で
リオレイアを討伐するために原生林に来ていた
大剣を作るためにリオレイアの素材が必要だったから
なのだが、彼にとってはリオレイアはまさに
朝飯前のような相手なのでもう狩りは終わり、
これからベースキャンプに戻り帰ろうと準備をしていた
以前倒したセルレギオスの素材を使い作った大剣
叛逆刀ローグレギオンを背負い歩き始めた時
遠くで自分を呼ぶ声が聞こえてきた
「…?変だな、今原生林には俺しかハンターは来ていないハズ…」
気のせいか、と再び歩き始めるとまた聞こえた
自分以外いないハズなのに誰だろう?
というか基本左官達以外まともな知り合いはいないから
自分の名前を呼ぶ者もいないよな~などと考えていると
何者かが自分がいるエリアに入ってきた
「あ!やっぱりそうだ!フランキー♪」
「え!?…た、確か君は左官さん達が育てている
森守龍オルディーオの子供の…」
「うん、真夜だよ!声が聞こえたら来ちゃった♪」
森守龍オルディーオは目がほとんど見えない
代わりに発達した聴覚で周囲の様子を探っている
大人になれば10km離れた場所の音も聞き分けられるほどだ
しかし真夜はまだ子供なので3km先の音しか聞き取れない
それでもフランキーの声もあの時記憶していたらしく
左官の友達が来た!…と会いに来たのだ
「ねぇねぇ、左官達元気?」
「あ…ああ元気だよ。また調査に行くって言ってたから
今頃未知の樹海にいるんじゃないかな?」
「そっか、あの獣の王に鉢合わせしなきゃいいけど…」
左官達がいないことで少し残念そうだったが
真夜はフランキーが来たことだけでも嬉しいらしい
尻尾を振って終始楽しそうだ
グルルル…
と、近くで獣が唸る声が聞こえた
ふっとそちらを見るとフランキーは凍り付く
「は…ははは…真夜ちゃんの師匠だっけ?一緒なんだ…」
ラージャンは何度か戦ったことがあるモンスターだが
その度に散々な目にあっているのでフランキーは
ラージャンが少し苦手だった
獅優もフランキーが自分を見て怯えているのを
感じ取ったのかそれ以上近付かず、立ち止まっていた
「あー、そう言えば普通の剛雷の者って
超攻撃的生物だってぴよが言ってたっけ?
でも大丈夫!獅優は優しいから、とっても♪」
こっちこっち、と真夜はフランキーと獅優を引き会わせた
「ほらほら、触っても平気だよ」
『真夜、無理にさせなくてもいいんだぞ?』
「え?なんて言ったんだ?ラージャン…」
「無理させなくていいんだよ、だって。
ね?優しいでしょ獅優、ほら大丈夫だよ」
恐る恐るフランキーは獅優へ手を伸ばす
獅優はフランキーの恐怖心を少しでも減らそうと目を閉じた
それに気付いたフランキーは意を決した
乗り攻撃、剥ぎ取り以外で初めてラージャンの身体に触れる
「なんか…不思議な感じだな、普通はこんなこと絶対に出来ないから」
「左官達もそう言ってたよ。獅優は特別なの」
『変わった奴だと言ってくれてかまわんぞ』
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しばらくするとフランキーは真夜と獅優に打ち解けることが出来た
「尻尾ってやっぱり触られるの嫌いか?」
『はっきり言うと嫌いだな。それだけは慣れん』
「俺も頭触られるの嫌いだからそれと同じだな、
しかし獅優って小柄だな、…気にしてたらゴメン」
『子供の頃まともに食べられなかったから仕方ない。
真夜もちゃんと食べないと小さいままだぞ』
「黄月ほど(最大金冠)大きくはならなくてもいいけどせめて
月詠くらい(標準)にはなりたいな~、分かった沢山食べる!」
何気ない会話をしていると、真夜が千姫が近付いていることを察知した
結構なスピードで飛んでいるらしく、後数分で着くようだ
「何か情報見つけられたのかな?」
少し待つと千姫がフランキー達の前に降り立った
真夜から千姫のことを改めて聞いたフランキーだが
一応警戒し、一歩引き下がった
「千姫ー!なんか見つけたの?」
『おい!ヤバいぞ!緊急事態だ、早く左官に知らせないと…』
『どうした?何かあったのか?』
千姫のあまりの慌てようによほどのことだと全員察した
かなり急いで来たらしく千姫は息を切らしていた
『取りあえず呼吸を整えろ、何があった』
『人間が獣の種の子供を連れ去ってしまって
それが獣王の耳に入ったそうなんだ、今獣王は
その子供を連れ戻すために人間がいる場所に
全速力で向かっているらしい…急がないと街が
破壊されてしまうかもしれない、左官達も危ない!』
「な…なんだって!?」
千姫は獣王について調べているとき
偶然にもこのことを耳にし、このままでは
左官達が危ないと考えて大急ぎで飛んできたのだ
『真夜、左官達は今どこにいるんだ』
「真夜にも分からないよ、未知の樹海だと思うけど…」
「でも街には誰かしら残っていると思う、
ドンドルマは大きい街だからあらゆる情報が手に入りやすい。
だから必ず誰か一人残って情報を集めるって言ってたから」
『お前は…あの時左官達と一緒に者だな、それは本当か』
なんとかして左官達にこのことを伝えなければ…
でもそれをどうやって伝えようか迷っていた千姫には
思いかけずいたフランキーは存在はありがたかった
しかし時間が無いのもまた一つの事実
一刻も早くこのことを獣王の存在を知っている
左官達に伝えなければどんなことになるか分からない
「でもいくら全速力で走っているって言っても未知の樹海の奥地から
ドンドルマまで相当な距離があるぜ。俺達も4,5日かけて行く場所の
更に奥地から来るんだから1日くらいは猶予あるんだろうし
獣王もドンドルマに着く頃には大分疲れているじゃないか?」
『甘いな、獣王の心肺能力は他の生物を遙かに凌駕する。
伝説では1日全力で走っても息切れさえ起こさないそうだ。
大陸を何周も疲れることなく駆けることが出来るらしい。
それが本当なら樹海の奥地から人間のいる街に行くのなんて
獣王にとっては造作も無いことだぞ』
「……マジで?」
それを聞いてフランキーは驚かずにはいられなかった
つまりノンストップでしかも真っ直ぐドンドルマに
獣王は向かっていると言うことだ
もし古龍観測号が獣王が街に向かっていることを察知し
それから街に知らせたのでは絶対に間に合わない
圧倒的に獣王の脚のほうが早い
今こうして考えている時間さえ惜しいことになる
フランキーは速攻で決断した
「千姫ちゃん、疲れているところ悪いけど
俺をドンドルマまで乗せていってくれないか?
場所は俺が教えるからよ!」
『な…なに!?』
『しかし人間の住む場所に千姫が行けば
何も知らない人間は千姫を攻撃しようとするだろう?』
「だから申し訳ない即席な作戦だけど、左官さんの家の場所
俺知っているから街そのものというよりは左官さんの家に行って貰う。
左官さんがいなくても家には砂肝さんの連れの翠がいるし、
獣王がまだドンドルマに着いていない場合はそれで行こう!
もし獣王が先に着いている場合はもうパニックになっているだろうから
俺を街のどこでもいいから下ろしてくれ!獣王に気をとられていて
千姫ちゃんには気付かないかもしれない、その僅かな可能性に賭ける!
他のハンターが千姫ちゃんを攻撃しようとしたら俺がなんとか
他のハンターの気を逸らすから千姫ちゃんはすぐ逃げてくれ」
フランキーの作戦に少し考えた千姫だが、
左官達に知らせるために多少の危険は犯す覚悟は
ここに来る前から決めていたことだった
『分かった、よし…えーと…名前は…』
「フランキーだ、よろしく千姫ちゃん♪」
『ではフランキー、私の翼で出せるだけスピードを出すぞ。
振り落とされないようにしろよ』
『フランキーこれを使え』
と、獅優がどこからか太い蔓を持ってきた
フランキーはそれを受け取ると蔓を千姫の首にかけ
手綱のようにし、千姫の背中に乗った
「ありがとう獅優!じゃあ行ってくる」
「フランキー気を付けてね」
『フランキー、千姫、頼むぞ』
「『任せとけ』」
『しっかり捕まっていろフランキー。飛ぶぞ!』
そういうと千姫は急上昇し、あっという間に空へと消えていった
『大丈夫かな……フランキーと千姫……』
『信じて待ってやろう、その間俺達も出来ることをするぞ真夜』
『分かった!……でも何をするの?』
『獣王の伝承について詳しく知っている者を探す。
我々は獣王のことを知らなすぎるからな、
手分けして探そうと思うが…いいか?真夜』
『うん!やろう獅優!』
真夜と獅優は分かれて行動を開始した
彼らの無事を祈りながら……
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MH小説エピソード12~ドンドルマへ急げ!~
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