スマブラSPのとある映像を見て、栄えるなーこの2体と思い
それから浮かんだこのお話…
一応「ポケモン超不思議のダンジョン」からも設定持ってきていますが注意事項
①ポケモンが全員喋ります
②オリジナル設定あり
③結構残酷な描写あり
以上がOKの方はお読み下さい
それではGO!!
◇◆◇
私はリオル。
私は山奥にあるルカリオだけが住む小さな村で生まれました。
ルカリオは生物や物質が放つ『波導』キャッチする能力を持ち、相手の考えや動きを読み取ることが出来る特殊なポケモンです。
私はその『波導』をキャッチする力が生まれた時からとても強かった。
進化前のリオルの頃は『波導』をキャッチすることは普通出来ないそうなのですが、私は村長いわく特殊な個体なのだそうです。
成長すれば間違いなく最高の『波導使い』になると言われていました。
まだ子供の私に大人達はかなりの期待を抱いていました。
私にはそれがとても苦しかった。
『波導使い』になるためには厳しい修行を積み重ねなければならないらしく、それが終わらないと村から出ることは許されません。
一体その修行はどれくらいかかるのだろう…
私は途方に暮れてしまいました。
私は別に『波導使い』になりたいワケでは無い。
私は…考古学者になりたいのです。
母が古代語に精通しており、私が幼い頃からよく古代に起こった出来事をお話してくれました。
母は昔、父と一緒によくダンジョンに潜り遺跡探索をしていたと聞きます。
その時、たまたま古代語が書かれた壁画を見つけ、それを読むために古代語を勉強したそうです。
私にも古代語を教えてくれました。かなり難しかったけど、読めるようになるのがとても楽しかった。
まだ誰も解明していない古代の謎を解き明かしてみたい…古代語が読めればいつかそれが出来るかもしれない。
いつしかそう思うようになりました。
しかし『波導使い』になるための修業が始まれば、その夢は遠くなってしまう。
古代語に精通するためには幼い頃から考古学の勉強を沢山したほうが飲み込みが早いだろうというのは子供の私でも分かることなのに、そんなものが始まったら勉強どころではなくなってしまいます。
どうすればいいのだろうと、夜ごと頭を抱えてしまいました。
◇
そんなある時、父から貰った古代語の本を抱きしめながら夜空を見ていると母が私にこう言いました。
「貴方は考古学者になりたいのよね? 私達のことはいいから貴方は村を出なさい」
「……え?」
思いがけない母の言葉でした。
「ここのことは気にしなくて良い、貴方は自分の夢を追うといいわ。山を二つ越えたところにある街に調査団があるのだけど、その調査団は考古学に特化しているところなの。古代語が読める貴方が行けば必ず入団出来るわ。そこの団長には手紙は出してあるし、荷物はもうまとめてあるわ、地図も中に入っている。後は貴方の決意次第よ。」
「…で…でも、そんなことをしたらお母様とお父様が…」
「私達のことはいいって言ったでしょ? 貴方は意思の強い子だからきっと大丈夫。」
胸が熱くなる…今まで考古学者になりたいとは面と向かって言ったことなんてなかったのに、母はとっくの昔に私の気持ちに気付いていたのです。
気が付いたら目から涙が溢れていました。拭っても拭っても止まりません。
「ありが…とうご…ざいます…お母様…。私…絶対に…お母様の気持ちを無駄にはしません!」
「決心はついたようね。なら貴方に名前をあげるわ。」
「名前…?」
「そう、これから貴方の名前はウィルよ。異国で”意思”という意味なの、貴方によく似合うわ。」
この世界で個体名が与えられることには大きな意味を持ちます。
それは魂に刻み込まれるもの、特別な者の証。
「ウィル……私の名前はウィル…!」
「ウィル、私の可愛い娘。いっておいで…そして多くのものを見てきなさい。」
「はい、行ってきます!」
そして私は母と父に見送られて村をそっと出ました。
二つも山を越えるのは大変だけど、『波導使い』にさせるためにと修業が始まる前から村のポケモン達に結構しごかれていたのでこれくらいどうということはありません。
絶対に立派な考古学者になって、その姿を母と父に見せるのだ! と意気込みます。
少し怖いけど、ワクワクのほうが強いかもしれません。
3日掛けて二つの山を越え、そして調査団にたどり着きました。
たどり着くともう母からの手紙が届いていたのか、すんなり入団が認められました。
『エンシェント調査団』
考古学に特化し、1000年前の歴史を紐解こうとするこの大陸で一番大きな調査団。
私が生涯のほとんどを過ごすことになる場所。
◇◆◇