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MH小説エピソード21~決意を~

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色々考えた末にこうなった
(ゴア・マガラの性格が)






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




まだ激痛が走る体、
妙な飛竜に無理矢理誘導され連れて来られたため
ここがどこなのか全く分からない

しかも眠りから覚めると更に分からない場所にいた
目が見えないのも相まっていいようのない不安感に襲われる

と、自分の顔を覗き込むように見る
自分よりもずっと小さい者がいることに気付いた


『気が付いた?結構眠っていたね、大丈夫?』

『う…な、なんだあんたは!?』


自分と似たような姿をしているが腕がより大きいし
衣のような翼もない、初めて見る者だった


『守の者の子供だ、真夜と言う名だ』


その者の側に自分をここまで誘導した飛竜と
そして超攻撃的生物として知られる剛雷の者がいた
剛雷の者に隠れるように砕く者の子供までいる


『おっと鱗粉は出すなよ、お前の鱗粉を吸い込むと
他の種族は精神が狂ってしまうからな。一応妾≪わたし≫達は
一時的に抗体を持っているけど、用心したい』

『小生の鱗粉が……?というか今どういう状況なんだ?
全く理解が出来ん、誰かは知らんが説明してくれ』


獅優と千姫はここまでの経緯をゴア・マガラに全て説明した
最初はワケが分からないようだったが、今自分が
置かれている状況を理解してからは目に見えて気力を失っていった


『小生はそんなに忌み嫌われていたのか…
あの一本角の獣がずっと小生を見て憎い、と言っていたが…
熱探知の率を上げるための鱗粉がその理由か…』


ゴア・マガラは自分の鱗粉を吸い込んだ者が
どうなってしまうのか全く知らなかったのだ
真実を知ってかなりショックだったようで
あまりの落ち込みように全員言葉を失う


『……で?……あんたらは小生を恨んでないのか?
特に守の者の子供、真夜と言ったか…あんたは小生の…
正確には同じ種族の鱗粉吸い込んで一度狂っているんだろう?
恨み晴らすならまともに動けない今のうちだぞ』

『え?別に恨んでないよ。るりやぴよを傷つけちゃったのは
ショックだったけど…憎いとかは感じたことないよ』

『まぁ真夜に憎むとか恨むとかそういう感情は似合わないな』

『……そういうあんたらはどうなんだい?』

『俺は別に』

『僕も別に…ないです』

『妾≪わたし≫も特にないな、むしろ今のお前の
状況に同情さえしているくらいだね』


あまりにあっさり憎んでも恨んでもいないという
皆の言葉に唖然とするゴア・マガラ

真夜は彼を励ますように優しく寄り添った


『全部すぎちゃったことだし、今はこれからどうするか考えよう。
鱗粉も不必要に撒かなければ多分大丈夫だと思うし、
そんなに落ち込まないで元気出して。貴方が最後の一人なら
尚更だよ。頑張って生きなきゃダメだよ』

『真夜……』






MH小説イラスト21




━─━─━─━─━─




一方その頃、無事ドンドルマに着いた左官とるりは
今回のことで知ったガリア・ケドゥクスの身に起こっている
事実を自分達の推測も交えながら皆に話していた


「やっぱり千獣王が狂っているっていうのは本当なのか、
ってことはマチコが会った時は千獣王はまだ少しだけ
心が残っていたのかな?……今は欠片もないみたいだけど」

「その可能性はあるな、でも一体どうしてそんなことに?
秩序の神だったにしても獣の王だったにせよ
人間だってそう簡単に心壊れたりしないだろう?」

「それは個人差あると思うけど、でもそうだよね。
一体何があったんだろう?記憶もなんだか曖昧みたい
だったって獅優は言ってんだろう?」

「はい」


それについてここ来る道中で左官とるりはある仮説を立てていた
千姫と獅優が得た情報を元に立てたものだ
しかし左官はその仮説にかなりの自信を持っていた


「まぁ確定ではないんですけどね」

「でも自信はあるんだろう?言ってくれ」

「分かりました。まず千獣王は目覚めるべき時では
なかったのではないでしょうか…千姫の話では
千獣王…いえ、秩序の神は生態系が崩れてしまい
誰にもどうすることも出来ない状態になった時に目覚め、
生態系を狂わす者を排除するそうです。ですが、
今はどうですか?千獣王が目覚める条件を満たすほどですか?」

「……いや、そうでもないよね?少なくとも…
というか狂竜騒ぎって数百年前もあったそうだし、
その時目覚めていないとなると違うよね」

「ですが、地の底深く眠っていたハズの千獣王は
長い時の中の地殻変動で地上の浅いところまで上がってきてしまった。
そこで起こったのが千姫の…セルレギオスの生息地の狂竜騒ぎです。
千姫の話では相当な騒ぎだったそうですし、その騒ぎせいで
千獣王は本来はありえない不自然な覚醒を強いられてしまった」


誰でも怯え震え上がるほどの騒動に
まだ目覚める時ではなかった千獣王が目覚めた。
そして不自然な目覚めを強いられ虚ろな状態だった
千獣王に狂竜化したモンスターが襲い掛かる形になった。

その状態で千獣王は極度の興奮状態に陥ってしまい、
いくつもの不幸が重なった結果、千獣王は
心が欠落、もしくは記憶が失われてしまったのでは
ないかというのが左官の推測だ


「心が虚ろな状態になった千獣王に銀色の角を持つ
獣の種の王という伝承を継承する牙獣種が集まり、千獣王を
獣の王と崇め始めた。心のない千獣王はどうなると思います?」

「そりゃ……自分は獣の王だって思っちゃうんじゃない?
記憶が無いんだったら否定をすることもないんだろうし」

「そうだな、でも何をすればいいか分からなかったから
自分を崇める牙獣種の言う通りに動いている。
そう考えればこれまでの行動の説明も付くな」

「でも左官君。それがもし当てはまっているとなると
かなりヤバイ状況だぞ。いつどの種族を攻撃対象とするか
まるで見当もつかない、今は狂竜化したモンスターだけど
それがいなくなったら……考えるに恐ろしい事態だ」


hiroの言う通りだ、と誰もが思った。
それは人間か、もしくは別の種族か……
今の千獣王は牙獣種の言うままにゴア・マガラを
絶滅させようとするほど危険な状態だ

左官はある覚悟を決めていたが、それを皆に問うた


「皆さん、私は獅優や千姫の力を借りて
千獣王と戦おうと考えています。このまま放っておけば
大変なことになるでしょう。しかし恐らく人間の力だけで
勝てる相手ではない。戦闘力はまさに未知数…
戦いで命を落とすことも十分考えられます。ですが、
皆さんの協力を仰ぎたいのです。お願いしてもいいですか?」


議論が続いていた家に沈黙が訪れる

左官はこの事態を終わらせるため千獣王と戦うつもりだ
まだ獅優と千姫には確認をとってはいないがその目は本気だ

ぴよ、るり、まるは少し考えると口を開いた


「いいよ、やろう!ここまで知ったら引き下がれないし」

「僕もやる!危険なんていつものことだしね」

「左官さんらしいな、でも俺も賛成だぜ」

「……ありがとうございます!」


するとhiroとフランキーも声を上げた


「俺もやるぜ!左官さん」

「乗りかかった船というヤツだ。俺も協力するよ左官君」

「ありがとうございます!hiroさん、フランキーさん」


思わず頭を下げる左官、
しかし千獣王の実力を考えるともう少し人数が欲しいところだ
今この場に緋紗奈とシエルはいないので後日話をすることにした


「あ、後私少しの間ナグリ村に滞在しようと
思っているのですがいいですか?」

「ナグリ村に?いいけど…どうしたの?」

「いえ、真夜の母君から頂いたものを使おうと思いましたね」

「おおおおおお!!ついにか!!確かに今使わないと
いつ使うの!?って感じだったからね。いいよ!行って来な!」

「真夜の母君?……って何?何かあったの?」


意味が分からない様子のhiroとフランキーにぴよが
分かりやすく説明してくれた。

真夜の母親は森守龍オルディーオの女王
そして真夜のことで真夜の母を尋ねた時に
戦いで抜けたり剥がれ落ちた爪や鱗と言った素材を
真夜を育ててくれている礼として貰ったことも


「……ってことは……なるほどね。完成したら絶対に
見せてくれよ左官さん!きっとこの世に無二のものだぜ!」

「間違いなくそうでしょうね、どんなものになるか私も楽しみです」




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