描いてみて分かりました
やっぱりダラ・アマデュラは可愛い!
(絶対今頃皆ドン引きしてるw)
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『まず始めに地守は本来炎の獣だ。水に入ることは愚か
体が少しでも濡れることを嫌う。にも関わらず海を泳ぎ天空山に来た。
これだけでも地守が正気を失っていることが分かるだろう?』
『炎の獣だと!?しかし小生を殺そうとしたとき
小生は炎が苦手だがそのような攻撃一切してこなかったぞ』
『使い方さえ忘れてしまっているんじゃないか?
本当に何があったか知らんが愚かなことだ…』
長大なる者は淡々と話し始めた
まず初めは地守についてだった
長大なる者によると心を失う前の地守は
類い希な道徳の意志を持った慈悲たる存在
全ての種族を平等に見、その風貌はまさに神と言われていたという
「…やっぱり今の獣王とは明らかに違うね」
『はるか昔、人間が竜大戦と呼ぶ戦争が起こる前かな?
突然変異で喰らう者に酷似した生き物が大量発生したことがあった。
全ての生き物が喰われ、生態系が崩壊寸前に陥った。
その時に地守が目を覚まし生態系を狂わせた者を駆逐、
そして生態系が元に戻るのを見届けると再び眠りについた。
これが恐らく獣の種が地守を獣王と呼ぶきっかけとなった出来事だろうな。
その時獣の種のほとんどが絶滅寸前になっており、そのため
地守は獣の種を優先的に保護していたからな』
「なるほど…それでなのか、納得したぜ」
しかし今やその秩序の存在も心を失い
自ら生態系を崩壊させようとしている
一刻も早くなんとかしなくてはならない
今回長大なる者の元を訪れたのは獣王のことを詳しく知るためだが
それともう一つ、心を失った獣王を元に戻す方法を
もしかしたら長大なる者は知っているのじゃないか?
という小さな期待も抱いていた
秩序を守る存在ならこの地には必要な存在
出来ることなら命を奪いたくないという考えからだった
「俺達は千獣王と戦うつもりだが、出来れば討伐したくない。
心を失った千獣王を元に戻す方法知らないだろうか?」
それを聞いて長大なる者は少し考え込んだ
すると長大なる者はとんでもないことを口にした
『そもそも秩序を守る者は地守だけではない。
たいして長く生きん貴様らは知らんだろうが道徳たる心を持ち
秩序を守る者と呼ばれる存在は地守を含め3体この世におる』
「……は?」
『そしてただの偶然なのかなんなのか3体とも銀色の一本角を持つ。
それぞれ天守、地守、海守と呼ばれ、我もほとんど会ったことがない者達だ。
そんじょそこらの者では決して太刀打ち出来ん力を有する』
なんと獣王と同じ力を持ったモンスターが
まだ他にも存在しているという驚愕の事実だった
『本来それぞれ干渉することはない、住んでいる場所も違うからな。
が、どういうワケはそれぞれ対極の力を持っている』
「ほ…他にも千獣王並に力を持っているモンスターがいるなんて…」
「俺2回千獣王を戦ってるけど一人じゃ絶対に勝てないぜアイツ…
そんなのがまだいるとか考えたくないな」
『ああ、安心しろ。さっきも言った通り秩序を守る存在だ。
貴様らが彼らの領域を荒らさない限り攻撃はしてこない。
天守は空の一番上に…海守は最も深い海の底に眠っているから
まず脆弱な種族である貴様らでは干渉することなど出来んさ』
「そ、そうなの?なんかちょっと安心したかも…」
『それで貴様らが知りたがっていることの答えだが…
とりあえず2つ方法があるぞ』
「え?ほ、本当か!?ぜひ…ぜひ教えてくれ!」
ようやく長大なる者はぴよ達が一番聞きたかったことを話し始めた
しかしそのうちの一つはとんでもないことだった
『一つ目は天守もしくは海守が目覚めるのを待つという方法だ』
『な…何!?』
『今の地守は自分が何者かも分からんほど狂っている。
そんな状態の地守をほうっておけば生態系に悪影響が出るのは間違いない。
いずれそれを察知した天守か海守は目を覚ますだろう。
自分の領域を侵す危険がある者を排除しようと行動を起こすはずだ。
簡単に言えば天守か海守が地守を排除してくれるのを待つということだ』
その方法に全員が絶句した
たしかにその方法なら自分達は戦わなくて済む
ある意味一番確実な方法かもしれない
しかし獣王を殺すということに他ならない上に
天守と海守がいつ目覚めるのか分からない
その間に獣王が何をするのか想像することが出来ない
長大なる者が突然天守と海守のことを話した理由は
この方法を語るために必要不可欠だったからだ
「も…もう一つの方法は何なんだ?」
恐る恐るhiroは長大なる者にもう一つの方法を尋ねた
最初の方法が驚かざるおえないものだったため
あまり期待は出来ていなかったが、心を落ち着かせる
『もう一つは貴様らに出来るか分からんが
唯一地守を正気に戻せるかもしれん方法だ』
「ホントに!?それでもいいよ!聞かせて」
『よかろう、では地守の角を折れ』
「はい!?……角を…折る?」
獣王を正気に戻せる方法が角を折ること?
この時全員意味が分からず頭を抱えてしまった
長大なる者は言葉を続ける
『あの銀色の角は力の象徴であると同時に地守の力の源なのだ。
角を折られれば地守の体に多大な負荷がかかるハズだ。
もしかしたらその時のショックで元に戻るかもしれない』
「そうなのか!?確かに角を折るだけなら俺達にも出来るかもしれないな」
『ただし容易くはないぞ。恐らく心を失っていても本能的に
角が力の源だとは分かるだろう。間違いなく守ろうとするハズだ。
しかも簡単に折れるような品物ではない。角を折る前に
貴様らがやられる可能性も大いにある上、角を折ったからと言って
地守が正気に戻るとは限らん。文字通り命がけの方法ぞ』
『もし角を折っても獣王が正気に戻らなかったらどうすればいいの?』
『その時は仕方ない、地守を殺すしかないな。
角が折れている状態なら力も半減しているだろうし
貴様らでも殺すことは十分可能だ』
「やっぱり最悪は殺すしかないのか…」
あまりしたくはない方法だが、このままでは
この大陸がどうなってしまうか分からない
ここはもう覚悟を決めるしかない
『しかし秩序を守る存在を殺して大丈夫なのか?
もし殺した後、獣王でなければどうすることも出来ないほど
生態系が狂ってしまうことがあるかもしれないのに…』
「それだよな…もしもを考えると簡単に殺すことは…」
それを聞くとまた長大なる者は考え込んだ
しばらくするとまた口を開いた
『我も詳しく知らんが地守のその力を第三者に継承させる方法があるらしい』
『……継承?そんなことが出来るのか?』
力を継承するとは一体どういうことなのか
長大なる者に尋ねたが本当に詳しく知らないらしい
どうやらその継承とやらは地守となる者にしか伝えられない
ものらしく、その方法を知っているのもまた地守だけ
同じような力を持つ天守と海守なら知っているかもしれないが
万が一にも会うことは出来ないだろう
『…我が貴様らに教えられるのはここまでだ。
良い暇つぶしが出来たが我の気が変わらんうちにこの地を離れるが良い』
『うん、ありがとう!蛇王さん』
『ではまた小生と千姫に乗りな。早くしろよ』
ぴよ達は礼を言うと千姫とクロムに乗り長大なる者の住む山を後にした
帰りの道中でも話題は長大なる者が最後に語った
力の継承についてのことだった
もし可能なら最悪獣王と殺さなくてはならない
事態に陥ってしまってもなんとかなるかもしれない
しかし最大の問題は”誰に継承させるか”だった
「やっぱり下手なヤツには継承させたくないよな…
千獣王よりも酷いことになることも十分考えられるし…」
『おっと小生は止めといた方がいいぞ!
秩序の神とか絶対性に合ってないからな』
『それなら妾≪わたし≫も無理だな。絶対に性に合ってない』
「……2人共少しは考えようよ」
早速千姫とクロムが拒否した。考えてみれば確かにそうなんだが
2人共もし本当に可能だったとしても継承する気は無いようだ
種族的には一番合っていそうな真夜はまだ子供だから
その強大な力を継承出来るかどうか怪しいところ
メディオも真夜と同様だし、
人間にその力が継承出来るか疑問なので
ぴよ達も必然的に除外される
「皆~悩まなくても秩序の神の力を継承するに値する者がいるよ?」
「だな、この中で誰よりも継承に値し、その力を
絶対に悪用したりしないヤツがいる」
「けど…了承してくれるかな…?」
『そこは話し合うしかあるまい。彼の性格を考えると
最初断るだろうが…一番適任だろうからな』
「OKしてくれるといいなー獅優…」
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MH小説エピソード25~天守、地守、海守~
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